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(9) 評価

四方を海に囲まれた太平洋島しょ国において船舶は重要な輸送手段である。同地域にはこれら島しょ国10ヶ国の共同出資による外航海運会社(保有船舶3隻、合計約26,000DW)があるが、今日でもなお旧宗主国をはじめとする海外の海運に依存するところが大きい。また、内航船社は規模が小さく、資金面でも余裕がないため、必要とする船舶の調達は中古船の輸入によって行われるのが一般的である。
これら島しょ国の多くは資源に乏しく、主要産業も農業が主体であり、工業製品の多くを輸入に頼らざるを得ないため、財政事情が悪く、海外からの援助が不可欠となっている。このため、わが国を含む先進国からこれらの国々に経済協力船が供給されているところであるが、いずれの国も経済規模が小さいためその絶対量は極めて少ない。
これらの国々の海運業や漁業は将来発展の可能性を秘めて入るが、現在のところ若干の経済協力船を除いては中小型船の市場としては期待できないものと思われる。

 

 

 

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