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 鉱業部門は、就業人口のO.6%(1992年)を占め、GDPへの寄与率は1.6%に達している。
 フィリピンの主要鉱産物は銅であり、銅鉱石の坤蔵量は1989年現在36億9,100万トンと推定されている。
 金、銀、ニッケル、クロム、石炭なども採掘されている。
 原油は、1978年にパラワン島沖の大陸棚で有望な埋蔵が碓認され、商業べースに乗る生産が79年以来続けられているが、国内における石油消費量の3%程度を満たすに過ぎず、輸入石油に大きく依存している。
 また、91年にはパラワン島沖で原油の坤蔵が発見され、採掘可能な埋蔵量は1億バレルと確認されている。

 

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 製造業は、GDPの25.5%(92年)を占め、就業人口の10.6%がこの部門に従事している。製造業の主要分野は、食品加工業、石油精製業、化学工業、電子・電機機器工業(主に電気通信機器)、飲料、金属・金属製品、繊維織物など製造工業である。
 食品加工業は、製米、製粉のほか、輸出産業としての製糖、製油(ココナツ油),食品缶詰工業などが主なものである。
 電子・電気機器工業は、内需用の家電製品のみでなく、輸出産業として成長の著しい半導体組立工業も含まれている。家電工業も輸出志向を強めている。
 化学工業は、肥料、プラスチック成型など内需型工業が太宗を占めており、原料不足のため化学工業の比重は低下傾向にある。
 繊維工業は、紡績、織布、染色工業の、設備が若朽化のため、国際競争力を失っており、また密輸品の流入などで、困難を極めている。
 一方、衣類の輸出は順調な伸びを示しているが、原料を輸入に依存しているのが現状である。
 製造業のGDPは、1980〜91年の期間に年平均0.4%の伸びを示した。

 

 

 

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