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 このうち沿岸漁業は、その水揚げが全体の約80%を占め、スリランカ漁業の中核をなしている。政府の助成による近代化、動力化も進展し、その漁獲高も着実に増加している。
 沿岸漁業の操業は、西海岸のジャフナ、マナール、プッタラム、ネゴンボなどの漁港を中心に行われ、漁法としては大半が流し網で、その他は引網、投綱、一本釣、トロール、延縄などである。

 

 内水面漁業は、農業灌漑用水池や塩水池などで行われており、近年漁獲法の改善により増産傾向にあったが、国内における北部・東部の人種抗争激化による影響を受け、漁獲量の減退が著しい。
 一方、沖合深海漁業は、かっお、まぐろ、さば、さわら、かに、えび等有望な漁場を控えているが、漁業管理面での知識・技術などの不足から、伸び悩みの状態で、その潜在的な漁獲量の10%程度しか漁獲されておらず、将来の発展が期待される分野である。
 この分野は、比較的大きな資本と技術を必要とするため、外国の援助・協力は不可欠であり、アジア開発銀行、海外諸国などの援助によって操業しているが、今後は一層の外国の援助・協力が必要とされている。

(B)漁船保有状況

 92年末現在、スリランカの登録漁船総数は大小合わせて27,435隻で、このうち動力船は11,798隻である。現在、動力化が進みつつあるが、依然として多数の無動力漁船が操業している。
 動力船のうち、100G/丁以上の鋼造漁船は、1993年末現在で11隻(2,971G/T)であり、90年の13隻(3,569G/T)が過去最大の保有量である。
 なお、最近の10年間における漁船保有量の推移を見ると、1984年以降(1987年および1990年を除く)、隻数、トン数ともに全然変わっていない。

 

 

 

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