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(4)造船事情

 スリランカの造船業は、極めて小規模なものまで含めると、150以上の造船所があるといわれているが、ドライドックを所有し、鋼造船の建造・修理が可能な造船所は、同国最大のColombo Dockyard(Pte)Ltd.(CDL)だけである。

 

 CDLの前身は、英国の植民地であった時代の1908年に設立され、政府機関のColombo Port Comissionによって運営されていたが、その後1974年にセイロン海運公社(Ceylon Shipping Corp。)が75%、シンガポール系企業が25%出資の合弁会社となり、1993年5月に日本の尾道造船が株式の51%を取得し、現在に至っている。
 CDLの従業員数(1990年末現在)は約1,200名で、コロンボ港内の造船所において、各種船舶の修理と曳船、ランチ、巡視船、作業船、デッキ・バージなど小型船の建造を行なっている。
 同造船所は、英国植民地時代の1908年に建設されたものであるが、現在の敷地面積は比較的広大であり、修繕用ドライドックが合計4基ある。
 このうち、125,000DWT級船舶の入渠可能な4号ドライドックは、1980年代の末に新設されたものである。
 また、修繕に必要な鋼材、溶接棒、塗料、鉄パイプなどは、シンガポール支店から供給できる体制となっている。
 CDLの総売上高(1990年)は403.0百万ルピーであり、同年の税引き後の利益は10.2百万ルピーとなっている。

 

 

 

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