
現在、コロンボ港はコンテナおよび一般貨物の荷役用設備を完備した近代的港湾として、世界各国の海運貨物を多量に扱っている。 これは、これまでの政府の積極的な港湾諸施設の整備開発によるものである。特に、1983年以降、基金借款によりジャヤ・コンテナ・ターミナルの建設が開始され、埠頭バース1号および2号は既に1987年までに完成し、現在3号バースを建設中である。また、1996年に完成予定の4号バースの建設計画も開始されている。
1991年にコロンボ港に入港の輸送船の総数は、2,929隻(20.5百万純登録トン)であり、特にコンテナ船が1,618隻と全体の55.2%を占めて最も多い。客船は17隻が入港している。 入港船舶数は1988年以降、年平均8%の割合で大きく増加している。 入港船の船籍をみると、1990年では入港2,847隻の船籍数は合計65カ国であった。 国籍別にみると、パナマ408隻、ドイツ359隻、スリランカ218隻、中国175隻、リビア126隻、インド121隻、シンガポール113隻、米国111隻の順となっており、これら上位8ヵ国で全体の43%を占めている。
1991年のコロンボ港の貨物取扱量は12,257,500トンであり、このうちコンテナ貨物7,059,700トン(57.6%)、バラ荷・雑貨3,097,700トン(25.3%)、液体貨物2,100,100トン(17.1%)である。 なお、コンテナのうち、5,242,600トン(74.3%)はコロンボ港内で船舶から船舶に積み替えられる中継コンテナ、残る1,817,122トン(25.7%)はスリランカ国内で流通する国内コンテナとなっている。 現在、コロンボ港のコンテナ取扱能力は、年間5百万トンであり、既に限界に達しているため、ジャヤ・コンテナ・ターミナルのバース3号の完成が期待されている。 なお、1991年のコンテナ取扱量は、過去最高の669,450TEUであり、88年の620,940TEUを大幅に上回っているが、これは1990年から開始された政府の構造調整政策の下で、運賃などの規制緩和による海運自由化の効果とみられている。
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