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 スリランカは、1990年にはインドを追い越して、世界最大の紅茶輸出国となった。
 紅茶、ゴム、ココナツの3大輸出作物は、農業部門の中枢であるが、これらの収穫量は漸減傾向にある。
 ただし、紅茶は依然として生産増を記録している。
 米の生産もスリランカにとって極めて重要である。
 米はスリランカ国民の主食であるが、天候不順(早魅)のみでなく、各地の洪水被害や人種抗争激化により、生産活動が制限されたことも大きく影響して、米の生産は240万トン(1991年)に落ち、政府は中国、パキスタンなどからの輸入米によって、国内消費量の不足分を補っている。
 林業は、国土の約44%が森林面積で、チーク、ユーカリ、マホガニーなど良質の樹林もあるが、森林面積の約80%が乾燥地帯に集中しているため、また森林適地が茶、ゴム、コプラなどの栽培地帯として利用されているので、建築用材としての森林開発が制限されている。
 近年、マハウエリ河開発プロジェクト(水力発電用ダム建設)などによる乱伐や植林の遅れもあって、木材不足による木材価格の暴騰を抑えるため、政府は木材の輸出を禁止している。
 畜産業は、牛、水牛、羊、山羊、豚、家禽類などを重要な家畜として大規模に飼育している。
 農林漁業の生産は、1980〜90年の期間に年平均2.3%の割合で増加している。

 

 

 

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