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( C )歴史的、経済的なつながり

 1906年に英領インドで、イスラム教国家を目指す回教徒連盟が結成された。
 これらの教徒は、1947年のインド独立に次いで、インドをはさむ東西両州から成るパキスタンとして、インドから分離独立し、1956年3月に大統領を元首とするパキスタン回教共和国となった。
 1958年に軍部によるクーデターにより、パキスタンは軍政下に置かれたが、反軍政暴動が束西パキスタンに拡大し、内戦状態に激化したため、インドがこれに全面的軍事介入した結果、遂に印パ戦争となった。
 この結果、パキスタンは敗北し、国土の6分の1に当る東パキスタンを失った。
 東パキスタンは、1971年12月にバングラデシュ人民共和国として独立した。

 

 その後、パキスタン回教共和国は、敗戦によって低下した国際地位の挽回に努力し、インドとは1972年に外交関係を再開し、バングラデシュとも1975年に外交関係を樹立した。
 パキスタンの基本的動向としては、イスラム諸国との連携、中国との伝統的友好関係、非同盟主義を外交の柱としており、一方、緊密な米国および日本を初めとする西側諸国との関係を重視する善隣友好外交を基調としている。

 

 わが国とパキスタンとの関係は、1947年のパキスタン独立後間もなく、1949年に両国間の貿易協定に基づいて貿易が開始された。
 現在、両国間には1961年8月発効の友好通商条約が締結されており、相互に入国、居住、滞在、貿易に関する最恵国待遇を与えている。
 また、両国間には政治的懸案問題はなく、貿易、経済、技術協力を中心とした伝統的良好関係が維持されている。
 一方、税制面でも両国間には、二重課税防止条約が締結されており、一方の国で課税された所得が他方の国で再度課税されることのないような措置が講じられている。

 

 貿易関係では、両国間当初の貿易ではパキスタンは、日本にとって重要な綿花の

 

 

 

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