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( C )需要状況

 パキスタンは海運の国営化以来、貿易貨物の輸送は可能な限り自国の商船隊を使用して、外貨の節約を図るべく、国営のPNSC社を中心に船腹の増強に力を入れてきた。
 政府の第6次計画に引き続き、第7次5ヵ年計画(88〜93年)においても、海運部門の整備拡充が計画されたが、財源不足のため、計画通りに実施されていない模様である。
 パキスタンの商船隊は従来、財政上の理由で、主として中古船の購入で補充してきた関係上、中古船の需要は今後とも続くことが予想される。

( D )船腹拡充計画

 パキスタン海運の競争力を強化するため、第7次5ヵ年計画(88〜93年)の実施により、オイルタンカー1隻(7,016G/ T )、バルク・キャリア1隻(16,639G/ G )、その他雑船数隻が増強されたが、その反面、一般貨物船2隻(21,632G/ T )、貨客船1隻(5,578G/ T )、 凌漢船2隻(1,487G/ T )、曳船その他雑船数隻が過剰船腹もしくは非効率、非生産的な不経済船として処分された。
 パキスタンには、船令20年以上の老朽船が多数あるので、今後ともこれらの代替需要があるものと予想される。

(3)港湾事情

 パキスタンの主要港は、カラチ港とカシム港である。
 カラチ港は、パキスタン最大の外貿港で、主として原綿、米、織物用糸、織物、手工芸品などの輸出貨物と、原油、精製石油製品、食用油、機械類、肥料、穀物な

 

 

 

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