
パ キ ス タ ン
(1)一般事情
パキスタンは南アジアに位置し、北部の山岳地帯と、インダス川流域を中心とする平原地帯から成り、東はインド、西はアフ
ガニスタンおよびイラン、北東の一部を中国と、それぞれ国境を接し、中近東と南アジアを結ぶ戦略的にも極めて重要な位置
を占めている。 北束部はヒマラヤ山脈が連なり、西部はバルチスタン高原が広がり、国土の中心を南北にインダス川が貫流
し、南部はアラビア海に面 し 、総延長1,100キロに及ぶ海岸線がある。 国土面積は796,000平方km ( 日本の2.11倍 ) 、
人口は1億1,911万人(92年 央 現在)、人口増加率は年間3.2%と高く、人口の約70%は農村地帯に住んでいるが、カラチ
(520万人)、 ラ ホール(300万人)など大都市への流入が激しい。 気候は一般に乾燥気候で暑く、年間平均気温は27℃ ( 80
叩 )である。カラチの気温は13℃ ( 55. F) 〜34℃ ( 93 叩) で、年間降水量は少ない。 パキスタンは多民族国家であり、
主要民族はシン ド 民族、パンジャブ民族、パターン民族、バル チーチ 民族の4 っ に分けられ、その他はインドからの避難民
の モハ ジー ル 人種である。 主要言語は、パンジャ ビ 語 ( 住民の48.2%が日常使用)、 プシト 語(同13.1%)、シンデ
ィ語(同11.8%)、サライキ語(同9.8% ) などである。公用語はウルドゥー語 ( 同7.6% ) と英語である。 国家宗教は
イスラム教(回教)で、住民の約97%がイスラム教徒である。その他は、主にインド教徒(2%)、キリスト教徒(1%)など
である。 世銀の推定によると、1991年におけるパキスタンの国民総生産(GNP)は、1989〜91年の平均価格をべ 一ス として
算定すると467億2,500万米ドルであり、国民1人当り400ドルに相当する。 1980〜91年の期 問 に、GNPは平均年率6.5%(実
質)の割合で成長し、国民1人当りのGNPは3.2%の増加となっている。
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