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  (C)需要状況

 シンガポール経済は、93年には実質10.1%の成長率を記録し、94年も製造業、建設業を中心に好調な伸びを示した結果、実質10,1%の成長を遂げた。
 対外貿易(94年)についても、輸出が対前年比20.7%増、輸入が同13.4%増と、アジア新興工業経済圏(NIES)では最大の伸びを記録している。
 国内経済の好調を背景とした輸出入貿易量の急増に対応して、シンガポール海運界では保有商船隊の増強・拡充への意欲が活発化している。
 その結果、1993〜95年の期間に、オイル・タンカー26隻(417,345G/T)、ケミカルタンカー6隻(61,797G/T)、液化ガス運船7隻(154,960G/T)、その他タンカー1隻(6,358G/T)、バルクキャリア23隻(908,994G/T)、コンテナ船16隻(317,569G/T)、冷凍貨物船3隻(6,020G/T)、Ro/Ro貨物船15隻(426,890G/T)、Ro/Ro貨客船2隻(7,157G/T)、補給船7隻(23,367G/T)、曳船96隻(15,889G/T)などの増強が目立った反面、多数の非効率な老朽船若しくは過剰船腹が処分された。

  (D)船腹拡充計画

 シンガポールにおける船腹拡充計画には、政府が主体となって総合的に策定し、実施するというような具体的なプロジェクトはなく、民間の各海運企業がそれぞれ独自の船隊増強計画を推進して、各自の海運競争力の強化に努力している。
 しかし、政府は、経済開発局(Economic Development Boar−EDB)が作成した“優先開発業種リスト に該当する外資導入の企業に対しては、税制、融資などの面で優遇措置を講じ、外資導入を誘致している。
 このリストに記載の「船舶および輸送機械類」の項には、タンカー、コンテナ船、バルク・キャリア、LASH船、曳船、その他各種の船舶が含まれており、これら必要船舶の拡充に積極的な意欲を示している。
 その結果、シンガポールの商船隊は、1990年の774隻(7,928千G/T)から95年には1,344隻(13,611千G/T)へと拡充されている。

 

 

 

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