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船による内航輸送が規制されていることもあり、内航船需要は急増している。特に、内航用の一般貨物船やRo/Ro貨物船、旅客船、石油関連の補給船、あるいは曳船、水先船、 船、500G/T以下の小型漁船などの需要も期待できる。
 外航については、政府の海運振興政策は、運賃・保険料の国外流出を防ぐため、自国籍船の利用拡大を重要目標としている。しかし、現有船腹の多くが老朽船(平均船令22年、一般貨物船の平均船令45年)であることからして、海外資金援助による外貨繰り次第では、可成りの潜在需要を予想することも可能である。

  (D)船腹拡充計画

 マレーシアは、自国船による海運の発展を図るため、93〜95年の期間にオイル・タンカー16隻(136,526G/T)、ケミカル・タンカー7隻(84,516G/T)、液化ガス運搬船5隻(277,524G/T)、バルク・キャリア14隻(425,858G/T)、一般貨物船25隻(91,638G/T)、コンテナ船5隻(73,279G/T)、Ro/Ro貨物船4隻(21,806G/T)、旅客船8隻(1,146G/T)、調査船1隻(818G/T)、曳船19隻(4,206G/T)、補給船1隻(1,210G/T)、 船2隻(1,294G/T)、その他雑船数隻が増強された反面、過剰船腹もしくは非効率、非生産的な老朽船が多数処分された。
 その結果、保有船腹量は、92年末の552隻(2,015,562G/T)が95年末現在685隻(3,282,878G/T)にまで拡充された。
 マレーシアの商船隊は、最近における輸出入貿易量の増大に伴う船腹需要の全てを国内建造で賄うことは不可能であり、今後とも老朽船の代替建造を含め各種新造船の対外発注が予想される。

(3)港湾事情

 マレーシアの港湾には、自然条件に恵まれた良港は少ないが、ペナン港(西マレーシア)、クラン港(同)、サンダカン港(東マレーシア)などの主要港のほか、西マレーシアにはクアンタン、マラッカ、ディクソンなど、また東マレーシアにはサラワク州にクチン、ミリ、シブ、ビンツールなど、サバ州にはコタキナバル、タワウ、クダト、センポルナ、ラブアンなど、多数の港湾がある。
 マレーシアにおける主要港の設備その他の概要は、次の通りである。

(東マレーシア)

  1.サンダカン港(Sandakan)

 同港は、サバ州の東岸に位置し、ココア豆、パーム油、ゴム、加工木材、丸太などの輸出港であり、一般消費財、肥料などの輸入港である。
 1991年における入港船舶数は3,010隻、貨物取扱量は4,133,154トンに達している。
 港は、サバ港湾局によって運営管理されており、港内には多数の船舶を安全に収容できる広大な錨泊地がある。

 

 

 

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