タイの商船隊の特徴は、3,000G/T未満の中古船が主流を占めており、保有船舶の平均船令も23年(95年末現在)に達していることである。
政府は、自国海運の振興策として、広範囲にわたる商船への税制上の優遇措置を講じており、タイ商船隊の増強拡充により、5年以内に海上貨物輸送市場の18%のシェアを確保することを目指している。
従来、タイの保有船舶が、政府の海運振興政策にもかかわらず、増加しなかった理由は、タイ国の最大貿易港バンコクが河川港であるため、地形的に大型船の入港が不可能であること、バンコク港の荷役設備等が急速な経済成長に伴う荷動き量の増大に対応できず、荷役待ち状況が続いていることも一因となっている。
一方、100G/T未満の小型船舶の大部分は、タイ湾、アンダマン海、インド洋沿岸漁業に従事する漁船、河川交通の基盤をなす一般貨物船、旅客船などである。
タイの主な海運会社とその保有船舶は、次の通りである。