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タイ

(1)一般事情

 タイは、国土面積が513,115平方キロ(日本の1.36倍)、94年12月末現在の人口が約5,910万人(このうち、首都バンコクが約590万人)である。
 タイ国民の約75%がタイ民族、タイ族以外で最も多いのが華僑(約7%)、その他はマレーシア系・カンボジア系、インド系、ベトナム系などの民族であるが、深刻な民族問題は生じていない。マレー系民族は、南部の4県に居住しているが、その殆どがイスラム教徒である。また、ミャンマー国境の北部山岳地帯には、ヤオ族、メオ族、カレン族などの少数山岳民族がいる。
 宗教は、憲法が信仰の自由を規定しているが、タイ国民の殆どが仏教徒(約95%)、回教徒(4%)、キリスト教徒(0.5%)である。
 言語は、タイ語が公用語で、国民の53%が母国語として日常使用している。27%はラオ語(主として北東部地方)、12%は中国語(主に都市)、3.7%はマライ語(主に南部地方)、2.7%はクメル語(カンボジア国境周辺)を使用している。
 世銀の推定によると、1992年におけるタイの国民総生産(GNP)は、1990〜92年の平均価格をべ一スにして算定すると、1,065億5,900万米ドルであり、国民1人当り、1,840米ドルに相当する。
 1985〜92年の期間に、国民1人当りのGNPは、年平均実質8.3%の割合で増加しており、この期問にタイの人口は、年平均1.7%の割合で増加している。1980〜91年の期間に、タイの国内総生産(GDP)は、年平均実質7.9%の割合で増加している。
 タイのGDPに占める農林水産業の割合は、1970年の28.5%から90年には12.4%にまで激減し、92年には12%へと更に減少してきたが、依然として全人口の約70%が農村に居住し、就業人口の63%(92年)を農業が占めていることから、基本的には農業がタイ経済の中核になっている。
 農業部門(林・漁業を含む)は、GDPの12%(92年)を寄与し、同年における就業人口の63%が、この部門に従事している。
 タイの主要農作物と重要輸出商品は米であり、米の輸出は輸出収入総額の4.2%(91年)を占めている。
 その他の主要農産物は、カサバ(タピオカ)、ゴム、砂糖きび、とうもろこし、ケナフなどである。
 木材は、伝統的に重要な輸出収入源であったが、森林伐採による洪水の大被害を受け、自由な伐採搬出は禁止され、生産量は激減している。
 農業部門のGDPは、1980〜91年の期問に年平均3.8%の割合で増加した。
 

 

 

 

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