500G/丁以上の船舶の建造可能な造船所は28社あり、このうちの4社は5,000G/丁以上の船舶の建造可能な設備を持っている。最大の建造船台/ドックは20,000G/Tである。
一方、500G/丁以上の船舶の修理可能な造船所は21社で、このうちの4社は6,000G/Tまでの船舶の入渠設備があり、最大の修理ドックは20,000G/Tである。
近年、インドネシアの船舶造修能力は向上してきており、新造船建造能力は年間合計約9万G/T、船舶修理能力は年間合計約200万G/Tとなっている。しかし、入渠修理の実績は、年間平均僅か約100万G/Tを記録しているに過ぎない。
従来、インドネシアの新造船は約5,000DWT以下の内航船が主体で、外航船の殆どは外国で建造するか、または輸入している。
また、3,500DWT未満の船舶は、政府の方針に従い国内建造を必要とし、2万G/Tの船舶の修理は、可能な限り国内造船所で行うよう義務づけられている。
インドネシアにおける主な造船所の概要は、次の通りである。
1.P.T.PAL.Indonesia
同社は、1892年に海軍の修理工場として設立されたインドネシア最古の造船所である。その後1980年に国営企業となり、現在、インドネシアでは最大規模の最も近代的な造船所となっている。
主要設備は、ドライドック(能力2万トン)、浮きドック3基(1,000トン、1,500トン、5,000トン)、ケーソン型ドック72基(各2,000トン)、シップリフト(能力1,500トン)1基などがある。更に、3万トン・ドライドックを建設中である。
近年、同社が建造した船舳には、3,000DWT貨物船、3,500DWTプロダクト・タンカー、400トン高速巡視船、60トン高速巡視船などがある。
2.P.T.Dok&Perkapa1an“Tanjung Priok”
同社の前身は、1891年に設立されたN.V.Droogdok Maatschappij“Tandjong Priok”で、1961年に国有化されてP.N.Dok Kapal“Tandjong Priok”となり、1975年に現在の社名に改名された。
約1世紀におよぶ経験と技術、設備を活用し、新造船の建造については、1万DWTまでの各種船舶の建造実績をもっている。
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