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 製鉄・製鋼、合板、化学肥料、自動車、電気機械など近代工業は、70年代以降に発展したもので、とくに合板は政府の育成策もあって80年代に入って急成長を遂げた産業の一つである。最も好調なのは、輸出の急伸が続く織物、衣料品、糸などの繊維と合板業界である。工業部門は業種により、明暗はあるが、全般に堅調に推移しており、今後の高い成長が期待されている。
 貿易関係では、インドネシアは石油、LNG、その他の一次産品を輸出し、工業用原料、中間財、資本財などを輸入するという構造になっている。
 輸出については、日本が最大の市場で、米国、シンガポールを合わせて70%程度を占めているという構造が定着している。87年でみると、日本42%強、米国19%強、シンガポール8%強となっており、日本のシェアが著しく大きい。輸入も87年では、日本29%強、米国11%強、シンガポール7%強となっており、この3国で上位を占めている。しかし、輸出ほど集中しておらず、サウジアラビアのシエアもかなり大きい。
 88年の輸出は192億1,900万ドル(前年比12.2%増)、輸入は132億4,800万ドル(5.9%増)となり、差し引き59億7,100万ドルの出超になった。黒字幅は石油好況時代ほどではないが、ここ数年は着実に拡大している。
 インドネシア経済は、石油輸出の不振で不況に悩んだ85,86年を底に緩慢ながら着実に回復過程に入り、経済の先行きに明るさが見えてきた。

 

 

 

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