シンガポール経済は87年以降、急速に回復し、88年には実質で11%増と過去15年来最高の成長を遂げた。対外貿易も、輸出が前年比31.2%増、輸入が同29.0%増と、アジア新興工業経済圏(NIES)では最大の伸びを記録した。
国内経済の好転を背景とした輸出入貿易量の増大に伴って、シンガポール海運界では保有船隊の増強・拡充への意欲が高まりつつある。
最近におけるシンガポールの保有船腹量の推移は、次表の通りであり、過去数年間に、多数の老朽船の代替、近代的経済船の増強、高速化、コンテナ化などが推進された。
その結果、86〜89年の期剛こ、オイル・タンカー45隻(802,706G/T)、LPGタソカー13隻(85,029G/T)、コソテナ船3隻(90,742G/T)、冷凍貨物船5隻(53,241G/T)、フェリー9隻(10,506G/T)などの増強が目立った反面、一般貨物船41隻(222,539G/T)、オア/ケミカルタンカー2隻(12,211G/T)、貨客船1隻(2,319G/T)、曳船12隻(9,147G/T)、その他老朽船7隻が解体処分された。