
なお、遺言書は何度でも作り直すことができますので、状況の変化に応じて、必要であれば内容を再検討して作りなおして下さい。(表28)
「自分の家族に限ってそんなトラブルはあるはずがない。」
ほとんどの方がそうお思いになるでしょう。もちろんそうであってほしいし、またそのとおりでしょう。
ただ念には念をいれておくなら、遺言書の作成に加えて「遺留分の放棄」をしておくと安心です。
遺留分とは、法定相続人に法律上、最低限認められている相続の権利です。例えば、法定相続人が3人いて、遺言等によってそのうちの1人が相続財産の全部を相続されることになったとします。その場合にもし、他の2人の相続人がそれに対して意義を申し立て遺留分の請求をすると、遺言書の内容よりも優先して、法律で認められている遺留分だけはこの2人に相続されるからです。こうなると困るので、生前にきちんと話し合っておくわけですが、所定の手続きをしてこの遺留分を放棄してもらうと、こうした問題も未然に防げてきます。(表29)
いずれにしても相続・贈与に関して事前に対策をうっておく場合には、行動に移す前に税理士などの専門家に相談したうえで適切な方法をとって下さい。
生命保険で必要資金を手当する
子ども本人の財産、親からの生前贈与や相続によって移転できる財産を含めても、まだ必要とされる資金が不足する場合もあるでしょう。
あるいは、他の相続人にも財産を残してあげたいとか、残さなくてはならないような場合もあるはずです。
そんなときもう1つの方法として、親が生命保険に加入してその保険金で手当することが考えられます。
「貯蓄は三角、保険は四角」という言葉があります。例えば、毎月1万円ずつ積み立てしていくとします。預貯金など普通の貯蓄商品の場合、毎月1万円を1年間続けると12万円プラス若干の利息が増えていったとしても、基本的にはゼロからスタートして時がたつにつれて残高が増えていく、いわゆる右肩上がりの三角形の図になります。
ところが保険の場合は、契約して第1回の保険料を払った翌日に、死亡するなどの保険事故があったとしても、1,000万円とか契約した保険金が支払われるのです。
つまりこれが保険は四角といわれる由縁なのです。
自分が死んだ後にお金を残すことが目的なのであれば、最も確実な方法かもしれません。
生命保険の場合、加入する際の年齢や健康状態などによって保険料が高くなったり加入できな
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