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不足額の手当の方法を考える

それでは、将来子どものために必要と考えられる不足額を手当する財源を、どこからどうやって手当するかを考えます。これには大きく分けて3つの方法があります。
(1)子どもの貯蓄等財産の活用による手当
文字通り、子ども名義になっている預貯金やその他の財産を財源として、必要なときに必要な金額を取り崩していったり、個人年金に加入したりして、不足額を手当するということです。
まず第一優先に考えるべきことですが、もちろん通常はこれだけは足りないはずです。そこで第二、第三の手が必要になってきます。
(2)親から子どもへの財産の移転
子ども名義の分だけで足りなければ、あとは親などの扶養義務者の財産を活用するしかありません。
親が健在なうちは、これまで通り親が扶養していけばよいのですが、肢体不自由児者の生活設計を立てるためには、大前提である「親が死亡した後の子どもの生活を確かなものにする」という目的に対する方法として、親の財産をどう子どもに移すかが最大のテーマとなります。
具体的にはこれまで述べてきたように、親の生前に子どもに財産を移転していく「生前贈与」と親の相続時に「相続財産」として移転するという、二つの方法が考えられます。
(3)親の生命保険への加入
しかしながら、親にも当然自分たちの生活があるので、(2)の方法にも限度があります。
そんな場合には、少々ダイナミックですが、必要金額を死亡金額とした生命保険に親が加入して、親の死亡時に相続財産として子どもに移転する方法があります。この方法は確実で効果のあるものといえます。
前章でも述べたように、親から子どもに財産を移転する場合、少しでも親の生前に子どもに贈与しておくと、相続税の負担も軽くなります。もちろん、相続税の心配がない場合はこの限りではありませんが、なるべく早く子どもの財産を増やしておくことで、生活費などの不足額を手当する手段の選択肢も広くなります。
贈与税の計算は前記の方法が基本ですが、ただし特定の贈与については特例があり、大幅に贈与税が軽減されます。
その中から、親から子どもへの財産の移転に効果がある方法を下記に一つご紹介しましょう。

 

 

 

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