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5 預貯金と非課税制度

親から子どもに資金を移転する方法として、生前贈与や相続などの方法を紹介しましたが、子どもの生活設計を実際実行するにあたっては、例えば、贈与したお金をどのように運用するかという問題に直面するはずです。
近年は、銀行や信用組合などの相次ぐ経営破綻が起こり、財産管理についても不安を感じざるをえなくなっています。今まではまさか金融機関がつぶれて、取付騒ぎが起こるなど想像もしなかったことだと思います。
さらに現在は史上最低の金利水準で、有利に運用することも困難となっています。
子どものための必要生活資金をこれから準備される方も、すでに準備された方も、お金をその使い道で分けて運用・管理しておくということを考えていただきたいと思います。
衣食住にかかる基本生活費や、施設への入所費用、家の増改築費、いざというときの緊急資金など、あらかじめ目的と必要時期が決まっている費用など、その目的によって運用方法は変わってくるのです。
全部一緒くたにしておくと、生活費として引き出す際にも「このままでははたして財源が一生もつのだろうか」と不安にかられながら引き出すことになります。資金を目的によって分けて運用・管理することでのみ、この不安からのがれられるといえます。
マル優などの利子非課税制度とは
銀行や郵便局の預貯金の利子にも、利子所得として税金がかかってきます。
預貯金などの元本により生じる利子は、利子所得として源泉分離課税により所得税15%と住民税5%の合計20%が天引きされるため、利払時には納税が完了していることになります。
しかし、身体障害者や65歳以上の人などが預け入れた預貯金などのうち、元本1,050万円までの利子には、所得税も住民税も課税されない扱になっています。
これが「マル優」や「特別マル優」と呼ばれる非課税貯蓄制度のことです。
この非課税制度は、身体障害者や65歳以上の老齢者、遺族年金・寡婦年金などを受給している寡婦などで、国内に住所があれば利子の非課税制度が利用できますので、身体障害の子どもはもとより条件を満たしている父母も該当することになります。
非課税制度には?銀行預金および合同運用信託、?有価証券、?郵便貯金の3つの種類があり、それぞれに元本が350万円まで、合計1,050万円までの利子が非課税となります。(図36)
ただし、元本が350万円の非課税枠を超えたときには、その元本の利子すべてが課税扱いとなりますので注意してください。

 

 

 

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