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者の家族および本人を対象として)」における生活状況や介護状況についてみると、障害の重度重複化の傾向と家族に対する負担が高くなっています。
この調査における有効回答数の年令別構成をみると、19〜30歳の青年期が38.5%を占めており次に0〜15歳の29.7%、19〜30歳の15.3%となっており、家族構成では、祖父母と同居している多世代同居が26.3%、本人と家族だけの21.0%を含む核家族世帯が72.7%なっています。
この家族構成には回答者の年令別構成による影響もありますが、三世代同居による障害者本人に対する祖父母の介助等の支援を得られるという、家族での扶養機能がある反面、一部では祖父母に対する介護等が必要となるケースも生じてきており、父母、特に母親の負担がさらに大きなものとなってきています。

8 肢体不自由者の生活設計

人口構造の変化がもたらす社会、経済の変化は21世紀にはどのような姿をみせているのでしょうか。
ここまで述べてきたように、21世紀のわが国のイメージとしては、まわりを見回すと4人に1人が65歳以上で、逆に15歳未満の子どもは7〜8人に1人という高齢化社会となり、男女を問わず高齢の労働者が増え、特に女性では少なくとも現在と同程度の40%強の女性が働いているもののその年齢構成は中年および高年齢者層が非常に増え、65歳以上の女性の労働人口は現在の6割増から2倍近くになっていることでしょう。
また、人口の移動においても核都市への集中傾向が続き、過疎化している地域との格差が一層進むことが見込まれています。
社会保障制度では、年金、医療、介護に代表されるように高齢者や障害者にかかる社会保障給付費が増大し、これを主に支える若年世代が減少することにより世代間扶養のバランスが崩れて本格的な年金の受給年齢が段階的な部分年金へと切り替わっていきます。
障害者施策の体系や実施体制が見直され、新長期計画と障害者プランの策定に伴い保健、医療。福祉をはじめ、介護等のサービス、バリアフリー化、QOLの向上等、各種施策の連携やサービスの提供体制が概ね出そろってきているといわれる現在、各種制度の恩恵を享受するばかりでなく、障害者も社会を構成する一員として、その能力に応じた負担をすることも必要となってきています。
障害者が地域で共に生活するためには、ノーマライゼーションの理念のもと、障害のない者と同等に生活し、活動する社会を構築していくことが必要ですが、それはすなわち障害者も各々の

 

 

 

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