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とがわかる。

 大気の状態が異常なときには水平線のさらに下まで電波が伝搬するという状態がある。光学的にはこれは蜃気楼として知られた現象であるが、マイクロ波でも同様な現象がある。例えば、大気の低い気層に温度の逆転層があるときなどで、その大気の層がマイクロ波に対し、ちょうど超長波に対する電離層と同じような効果をもって、図9・16のような導波管型の伝搬をしてマイクロ波が異常に遠方まで伝わる。これをラジオダクト(Radio Duct)と呼んでいる。

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 マイクロ波より更に波の伝搬長の短いミリメートル波は空中を伝搬するときに空気のうちの酸素と水蒸気によって減蓑を受ける。その減衰の程度は一気圧の大気とその大気中に1%の水蒸気を含んでいるときは、図9・17に示すとおりであって、かなり大きなものである

9・9 レーダー電波とその特性

マイクロ波の伝搬のうち、レーダー電波の場合は、電波がレーダーの空中線から物標に当たって反射し、また、元の空中線に戻ってくるという往復電波を扱う点で一般の通信などの電波伝搬と若干異なる扱いとなる。それらをレーダーの特性と併せて次に述べる。

 

 

 

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