9・8 マイクロ波の伝搬
レーダーなどに使用されているマイクロ波の電波は、これまでに述べた長波や中波の電波に比べると光に近い性質を持っており、おおむね可視範囲を中心に伝搬をする。
したがって、レーダーが物標を探知する範囲は船のレーダー空中線(走査空中線)から見える範囲である。しかし、厳密にいうとこれは正しくなく、光でも、3〜10cm波のようなレーダー波でも、若干は回折によって地球の裏側に回り込む性質を持っている。それを模式的に示したのが図9・13であって、haのところから見える水平線を幾何学的に求めたのが幾何学的水平線である。これを水平線ではなく、ha(m)の高さのところからht(m)なる高さの物標を見たときに、それが見通せる距離Rを海里単位で求めてみると、