方に移動し、また三段目と四段目の境界J2においても同様で、互に境界を通って移動しあうが、二段目と三段目の境界J2は空乏層となり、全体的には電流は流れない。この状態で電圧を順次高くしていくと、ツエナー現象を生じて突然電流が流れるようになるが、このツエナー現象をゲートに正の電圧を掛けることによって、アノードの電圧が比較的低いときでも起こさせて、電流を流そうというのがサイリスタである。すなわち、ゲートに正の電圧を掛けることによってゲートとカソードの間に電流が流れゲートから入ったホールや、四段目から三段目に入った電子が空乏層に迷い込み、二段目と三段目の間に電流が流れることになって、ツエナー効果の発生を促進する。一度ツエナー効果が生ずると、SCRの内部抵抗は小さくなって、大きな電流が流れ続けるのでサイラトロンと同じような効果を持つことになる。