という負性の抵抗を示すようになる。これは、この半導体の中を流れる電子の移動速度が遅くなるためであって、こうなると陰極の付近に電子が固まって、陽極付近には電子が少なくなる。この電子の固まりはそのまま陽極の方に移動をして、陽極に達して大きな電流となるカ、そうするとまた陰極近くに電子の固まりができる。こうして、ダイオードには振動電流が流れるが、電子の集団の移動速度はほぼ10(5乗)m/sなので、GaAsの動作頷域を10μmとすると、それを通る時間は0.1661μsとなり、10GHzの周波数が発振されることになる。この発振周波数は、加えられる電圧や接続される空洞共振器の共振周波数によって、かなりの範囲を変化させることができる。
レーダー受信機の局部発振機に使用する時には図7・10に示すように、ガンダイオードを空洞共振機の一部に接続しておくと、発振周波数が共振機によってほぼ決定されるので、空洞共振機の調整によって、発振周波数を微調整することができる。代表的なガンダイオードにSGX=12B(SGX-2)があり、その動作特性は次のとおりである。