7・3 ガンダイオード
マイクロ波で使用される半導体発振器や増幅器には幾つかのものがあるが、ここでは、反射形クライストロンに代わって、受信機の局部発振器に使用されるガンダイオードについてのみ述べる。
ガンダイオードは1963年にアメリカのガン博士によって発見されたガン(Gum)効果を利用したマイクロ波の発振器である。この効果は、ガリウム砒素(GaAa)のN型の結晶の両端に直流の電圧(厚さ1cm当たり数千V)をかけたとき、その結晶中を流れる電流が、結晶の厚さで決まる周波数で振動をするというものである。ガンダイオードの構造は図7・9に示すとおりで、GaSaの細片の両面に電極を取り付けたものである。この両電極に直流の電圧を加え、電圧を次第に高くしていくと、電圧が低い間は一定の抵抗を示して、流れる電流は電圧に比例しているが、この電圧が厚さ1cm当たり3,165Vを超えると電流は飽和して、逆に減少をする