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右される面がある。したがって・小型化は伝送線路に費やす時間や配線によるインダクタンスや浮遊静電容量が少なくなる等で処理速度の高速化に通じる。

6・2 ICの構造

 ICを作る方法は、ある種のトランジスタの製作とかなりの部分で共通性がある。すなわち、原料のけい石から高純度のシリコンを精製して、更にそれを単結晶にする。この単結晶のシリコンを薄く輪切にして、表面を鏡面仕上げする(これをウェハーという)。が、これをそのまま使う方法と、エピタキシャル成長(epitaxial growth)と称して、シリコンの単結晶を反応管の中に入れて加熱し、四塩化けい素( SiCl4)と水素(H2 )の混合ガスを送り込んで、その表面にシリコンを析出させて層を作る方法とがある。

この前記混合ガスの水素の代わりに炭酸ガス( CO2)を使用すると、シリコンの酸化膜( SiO2)が成長する。

こうして作ったシリコンの酸化膜に図6・1に示すように、感光剤を塗り、これに写真の感光をさせて現像をすると、露光をしていない感光剤は溶け去るので、その後、蝕刻液でその部分の酸化膜を溶力して、シリコン部分を露出させて、残った感光剤は除去する。こうやってできたシリコンの露出部には、ドナーやアクセプタの不純物を“部分的に”拡散させたり、SiO2 の上に薄膜を付着させたりする。更に、必要に応じて電極を圧着する。

 

 

 

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