の混合と書かれたところで次々に3回周波数の変換を行い、それぞれの中間周波数で増幅して感度を稼いでいる。またこの方法で同時に分離度もよくなる。なお、この例ではスーパーヘテロダイン受信機の「混合」回路の場合を述べたが、シンセサイザー方式の送受信機における周波数の合成回路には図5・31に示したリング変調回路も多く利用されている。
5・5 直流電源回路
船舶内の電源や家庭に配電される電源はすべて交流である。一方、ほとんどの電子回路は直流で動作する。その電源として電池を用いるものもあるが、電池の寿命は限られているので、長時間の使用には交流電源を整流回路を用いて直流に交換して使用する。
5・5・1 整流回路
(1) 半整流回路
図5・41に半波整流の基本回路を示す。
同回路のトランスの一次側に図5・42(a)のような交流電圧が加わったとすると、ダイオードは図5・41のA点の電圧がB点の電圧より高くなったときのみ電流を通す。したがって、B点のスイッチがoffで交流電圧が (+)のとき、B点には図5・42(b)の実線のような電圧が生じる。次にB点のスイッチがonになると(C点のスイッチはoff)A点の交流電圧は増加して+ Viになり、コンデンサ C1に電荷が C×Viだけ流れ込む。したがってB点の電圧は、C1 から電荷が流れ出さない間はViのままに保たれる。次いでA点の電圧はViから減りはじめるが、ダイオードは逆バイアスとなって電流を通さないから、 C1にたまった電荷はそのまま保たれ、B点の電圧も Viのまま維持され同図(b)の点線のようになる。