やや不便で余り使われないが、動作周波数範囲が広いので高周波用等特別な場
合に使用される。コレクタ接地回路はエミッタフォロアともいい、人カインピー
ダンスが非常に高く、出カインピーダンスが非常に低いので、バッファ増幅器
としてよく使用される。エミッタ接地は増幅率が大きく一般によく使用されて
いるので、ここではエミッタ接地増幅回路について述べる。
図5・2に低周波用のエミッタ接地トランジスタ増幅回路の一例を示す。図の回
路は図4・19(b)の負荷として抵抗RLを使用し、結合コンデンサCcを通して次
段と結合しているので、CR結合増幅回路と呼ばれている。トランジスタはNPN
形のものなので、コレクタ側が+になるように電源が接続されている。
(1) バイアス回路
図5・2の回路において、入力信号がまだ加えられていない場合を考える。バイ
アス抵抗R1、R2を適当に選び、VBEが図4・23(III)のカットオフ電圧より高
くなるとべ一ス電流IBが流れはじめ、同時にコレクタ電流ICが流れはじめる。
このときエミッタ電圧VEはICのため、RE×IC(IBはICに比べてきわめて小さ
いので省略できる。)にまで上がるが、VBEがカットオフ電圧以上であれば、
IBとICは流れ続け、回路は動作状態となる。このIBをべース・バイアス電流と呼
び、同回路のREも含めたバイアス回路を電流帰還形と呼ぶ。このほかにも固定
バイアス回路、自己バイアス回路