最後にはんだ付けの場合の注意を述べる。トランジスタは、規格表の最大定格に示されているように、接合部の最大許容温度が決まっているが、この温度ははんだごての先の温度よりもかなり低い。したがってはんだ付けのとき、こてを長い間あてがっていると熱が端子を伝わってトランジスタを壊すことがある。規格でははんだの温度が260℃以下、時間10秒以下となっているが、ヒート・シンク用の器具あるいはピンセットやラジオペンチで端子をつまんで、熱をそちらに逃すようにすると無難である。特に熱に弱いものは規格表の中にその旨記載されていることがある。
なお、MOS形を使用するときの注意事項は6・4・4節に詳しく述べてあるので、これを参照されたい。