図2・14(a)のように、インダクタンス(L)を接続した回路に交流電流
i = √2・I・sinωt 〔A〕を流せばLを貫く磁束が絶えず変化し、逆起電力 eL〔V〕が生じる。この逆起電力eLはiよりも位相がπ/2〔rad〕遅れていて、その実効値を EL〔V〕とすれば
となる。
ところが、Lに加える電圧vは eLを打ち消して、iを流さなくてはならないから、その位相はeLよりもπ〔rad〕すなわちiよりも
進む必要があるので、その実効値をV〔V〕とすれば、
となる。
それ故に、電流iは図2・14(c)に示したように、電圧vより だけ位相が遅れることになる。
そこで、周波数をf〔Hz〕とすれば、実効値IとVとの間には、次の関係がある。
上式中の 2πfL = ωLのLは交流電流を妨げる性質があって、これを誘導リアクタンスと称し、XLの量記号で表し、その単位にはオーム(単位記号Ω)を用いる。