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上式中、回転速度NRにおける機械損がNR/NS・Wmとなっているのは、これらのせまい測定範囲内での機械損は速度に比例すると考えてよいからである。このようにこの方法は、各損失を分離して考え効率を算定するので損失分離法と呼んでいる。
なお、測定にあたっては、周波数を正しく定格周波数に合わせること、正しい値を測定すること及び回転速度の正確な測定とが、とくに必要である。
これにより正しいすべりを算出するためで、すべりの小さい5%以内では2・4・8(3)に述べるようなストロボスコープ法ですべりを測定した方がよい。
(3)実負荷試験(トルクの測定)
円線図法で算定する特性は、ある特定の状態(静止点と無負荷点)の特性から、計算により各負荷に対する諸特性を求めているが、厳密にはこのようにして算定した特性が実際の負荷状態の特性と必ずしも一致しないし、実際に負荷を掛けないとわからない現象もある。例えば、負荷電流又は温度上昇による漂遊負荷損の増加、始動時やすべりの大きい点の異常現象、負荷が多くなった時発生する電磁音、振動などを詳細に知りたい場合など、どうしても実際に負荷をかけて行う必要がある。また、機械的に負荷して強度を試験する必要がある場合、特殊な電動機で円線図法では不正確であることがわかっている場合(例えば、無負荷電流が全負荷電流の80%に達したり、拘束力率が85%以上もあるような場合)、又は小形電動機で実際に負荷をかけるのが簡単な場合などに、この方法が行われる。試験方法としては、大中形機には電気動力計、小形機にはプロニーブレーキ・うず電流ブレーキが用いられる。測定項目は出力に対する電流・力率・効率・回転速度・トルクを測定する負荷特性と、すべりに対する電流・力率・トルクを測定する。すべり−トルク特性を必要に応じて測定する。すべり−トルク特性を測定する場合、停動トルクよりすべりが大きい点では、測定が不安定になり困難である。この場合は図2・41のような結線でダイナモメータ又は直流発電機を負荷として運転し、これと返還負荷を行っている電動発電機の励磁を加減し容易に測定できる。

 

 

 

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