日本財団 図書館


(c)複巻発電機
複巻発電機には和動複巻と差動複巻があるが、和動複巻の場合は、直列巻線の効果の程度により平複巻不足複巻、過複巻がある。各場合の外部特性は図2・31に示す。
 

図2・31 複巻発電機の負荷特性

 
(2)電動機の負荷特性試験
電動機の負荷特性とは負荷をかけた場合の負荷電流・回転速度・界磁電流間の関係を求める試験で機械が暖った状態で行う。負荷特性には、速度特性・トルク特性・分巻界磁変動曲線・調整曲線などがあるが、一般に受渡試験としては速度特性をもって負荷試験とされる。
(a)分巻電動機の速度特性の測定
電動機の負荷のとり方は、2・3・7(2)を参照のこと。定格負荷に合わせ、その状態で外部電源及び界磁電流を一定に保ち、発電機の場合と同じく、いったん負荷を増加し、回転速度の測定を行いながら無負荷に至らしめる。負荷電流に対し回転速度をプロットすれば図2・32のような特性が得られる。
一般にA1のような曲線が分巻電動機の速度特性であるが、電機子回路抵抗が非常に大きいときはA2、電機子反作用が非常に大きいときはA3のような曲線となる。回転方向が一方向に指定されているときは、中性点の移動で多少は速度特性の調整を行うことができる。速度変動率は次の式により求め得る。
 

図2・32 分巻電動機の負荷特性

 

 
(b)複巻電動機の速度特性の測定
測定方法は(a)の場合と同様だから略す。
複巻電動機の場合も差動複巻と和動複巻とがある。一般的に垂下特性を示すのが普通でその試験回路は図2・33による。各場合の特性曲線は図2・34に示す。差動特性は負荷電流が増加すると回転速度が増加し、不安定な運転状態となり好ましくない。和動の場合でも直巻コイルと分巻コイルの極性を逆に接続すれば差動になって不安定になるので注意のこと。
 

図2・33 複巻電動機の試験回路

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION