(a)絶縁抵抗の測定は耐電圧試験前に行うのが普通である。また、この値は比較値に意味があり、保守を行うには定期的な測定を行って変化の状態を比較検討することが大切である。
(b)絶縁抵抗値は、直流電圧印加後、時間とともに増加するが、普通は指示一定になった値を記録する。指示が微増している場合は、中小形では1分値をもって行うことが多い。
(c)測定器は手回し式メガが一般に使われるが、最近では電池を内蔵したオートメガがよく使われる。
(2)測定上の注意事項
(a)手回しメガは1分間120rpm程度の一定速度で回すこと、零MΩ近辺で長時間回さないこと。
(b)電池内蔵式の場合は、電池の電圧が降下すると誤差が大きくなる。
(c)測定前には巻線の残留電荷を除去しておくこと。特に大容量機では測定前30分程度は端子を接地しておくとよい。
(d)電気機器の各部が正常な使用温度に達した直後、機器の異極導体相互間及び導体と大地間で行う。
(e)測定終了後は保安上、必ず放電させておくこと。
(3)絶縁抵抗の許容値
船舶用回転機の絶縁抵抗値は温度試験後500Vの絶縁抵抗計で測定し、次の算出式による値以上が要求されている。
2・2・10 耐電圧試験
(1)耐電圧試験
耐電圧試験は絶縁抵抗試験の直後に行うもので、充電部と大地間、又は充電部分相互間に施された絶縁の強度を保証するための試験である。
(2)耐電圧試験上の注意
(a)製作工場で新しい機器の耐電圧試験を行う際は、温度試験後に行うのが普通である。
(b)試験時間は1分間とし、まず、試験電圧の1/3程度を加え、引き続き電圧計の読みうる程度の範囲内で電圧を上昇させ、規定値に達してから1分間その値を保持する。
(c)試験における交流電圧の波形はなるべく正弦波に近い商用周波数のものとする。
(d)試験にあたって、被試験巻線の端子は一括して印加するようにする。
(e)絶縁破壊の場合には入力側の電圧計のふれ、破壊音、煙、においなどによって検知する。
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