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一名エレクトロルミネセンス(electro−luminescence)といい照明方式として使用されている。この材料には硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化亜鉛(ZnSe)が用いられ、これに適当な活性剤、たとえば銅、鉛、アリミニウムなどを混入して発光能率を増大している。
(5)熱電効果材料 ゼーベック効果については5・7・1項に述べたが、これは要するに下図のように半導体をはさんで両端を金属導体で閉回路をつくる。
そして、例えばA点を冷接点、B点を熱接点とすれば、この回路に起電力が発生するということでこれを利用して温度測定に用いられる。次に、ペルチエ効果については5・7・2に述べたが、これは要するに金属と半導体の二つの接続部を同温にし、外部電圧を加えて電流を流したとき、その接続部に起る熱の発生、吸収現象をいうのである。この場合電流の向きを変えると、熱の発生、吸収の部が逆になる。そこで、ペルチエ効果の大きい材料が所望される。現在ではビスマステルル(Bi2Te3)が最も良好とされている。電子冷凍はこの原理を応用したものである。

 

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(6)蛍光材料 蛍光材料は、電子の運動エネルギーが熱・光エネルギーを受けて発光する材料であって、現在蛍光灯に塗付されている蛍光物質の例をあげれば、タングステン酸カルシウム(CaW04)青色、珪酸亜鉛(ZnSi03)緑色、珪酸カドミウム(CdSi03)橙色、硼酸カドミウム(Cd2B205)ピンク色等がある。
(7)その他 ダイオード、点接触形トランジスタ、接合形トランジスタ、サーミスタ、バリスタ等があるがここでは省略する。

 

9・4 絶縁材料

絶縁材料は電気機器の構成上重大な死命を制するものであって、その良否は機器の寿命のみならず性能にも影響すること多大である。使用される物質は気体、液体、固体の3体があって、これにはさらに天然物、合成物等に分類され今日ではその種類は多岐多様にわたっている。
以下、絶縁材料の組成上の分類と、絶縁材料として具備すべき性質などについて述べる。なお、船舶電気機器においては気体、液体の絶縁物は使用していないので本書

 

 

 

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