(2)きわめて微量の不純物によって抵抗が著しく変わる。
(3)電圧電流特性が直接関係を示さない。
(4)光電効果、熱電効果、整流効果などを示す。
9・3・2 使用目的による分類
(1)半導体整流体の種類これは多結晶整流体と単結晶整流体とに区別されている。
(a)多結晶整流体 亜酸化銅整流体、セレン整流体、強化チタン整流体等がある。亜酸化銅整流体は黒色の酸化銅からできており、小容量のものに使用され、70〔℃〕以下で使用する必要がある。セレン整流体は金属セレンが主体でP形半導体である。この特性は亜酸化銅整流体に比べ正方向電流も大きく、逆耐電圧も2〜4倍高いので、大電流容量のものに使用される。強化チタン整流体は純粋な酸化チタン(TiO2)でなく不純物を添加して半導体的性質を帯びた青緑色のTiO2を使用したものである。百数十〔℃〕の高温にまで使用される特長がある。
(b)単結晶整流体 ゲルマニウム(Ge)の単結晶及びシリコン(Si)の単結晶であって、その一部をP形、他をn形半導体としたP−n接合で著しい整流特性をもたしたものである。
多結晶整流体に比べ、同一面積に対し100倍以上、電流容量と逆耐電圧は数十倍に及ぶといわれる。また、使用温度の最高はGeは70〔℃〕Siは200〔℃〕といわれている。
(2)光電材料 光の照射によって電気抵抗が減少することを利用して光を検出したりリレーを動作させたりするものである。この目的の材料にセレン、硫化カドミウム(CdS)、セル等がある。
(3)障壁光電池 セレン光電池は波長感度曲線が視感度曲線とよく一致しているので照度測定に適している。太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する目的に使用するもので、セレン(Se)はその変換率は1〔%〕以下であるのに、シリコン(Si)のP−n接合では10〔%〕内外といわれているから無人極の通信機電源等に用いられる。
(4)電界発光材料 半導体を1枚の金属電極と透明電極でははさみ、これに交流又は直流の電圧を加えたとき、その半導体が透明電極を通して発光する現象で、
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