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部、点溶接機の電極その他りん青銅に代って使用されている。
(e)銅銀合金 銅に銀を3〜5〔%〕含んだもので、適当な熱処理を施すと引張強りさ70〜100〔?/?2〕導電率70〜90〔%〕にもなる。通信線、リード線、真空管の陽極等に用いる。
(f)黄銅 銅と亜鉛の合金で、その割合によっていろいろあるが、引張強さ35〜56〔?/?2〕導電率30〔%〕で加工しやすく、ある程度耐食性もあり、舶用電気機器などボルト、ナットに至るまで広く使用されている。
(g)アルミニウムとその合金 アルミニウムは銅についで体積抵抗率が小さく、導電率は銅の約62〔%〕である。船舶では腐食性の点で銅より劣るため、それほど使用されていないが、特殊な方法を記して耐食性を増して使用している。この利点は比重が鋼の約30〔%〕であるから重重を問題にするところでは使用されている。
(h)裸電線 船舶では、電線を被覆しないで裸のまま使用することは極く稀で、機器の接地導線、空中線などがある。
(2)絶縁電線
(a)絶縁電線 裸銅線を何らかの方法で絶縁物及び保護被覆材料を施したものである。電気機器の巻線等に使用する銅線の絶縁材料には、最近絶縁材料の進歩につれていろいろ新製品ができているが一応種類を述べれば、線巻線、絹巻線、(JISC3202エナメル線)、エナメル紙巻線、エナメル綿巻線、エナメル絹巻線、ホルマール線、ガラス巻線、アスベスト巻線、シリコン線、テフロン線、ウレタン線、ポリエルステル線、ポリエチレン線、エポキシ線等がある。
それぞれ用途に応じて、これらの種類のうちから適当なものを選ぶ。例えば上記中のホルマール線はポリビニルホルマール樹脂を主体とした絶縁材料で、エナメル線に比べ機械的強度が大きく、耐油性、耐薬品性がすぐれ、絶縁強度及び耐熱性も大きいことで電動機の固定子巻線、変圧器の巻線等に用いられている。このほか、シリコン線以下記載の合成樹脂系の絶縁電線についてもポリビニルホルマール線と同様に耐熱、耐水、耐薬品、耐溶剤性などにすぐれた面がある。
そのために電気機器の小形化が進み、より経済的な製品が生産される一因といえる。

 

 

 

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