7・5 共振回路
既に述べた交流のR、L、Cの直列回路及び並列回路において、それらの定数を変化するまでもなく、一定に保っておいても、周波数fの変化によって、その回路が共振する。例えば、放送局からのラジオを聞くために受電機のダイヤルを回すなどは、その回路内の抵抗を最小値にするため、適当な周波数を選ぶことであってそれが成功すれば電流が最大となり、ラジオが聞こえることなどである。そして直列回路において、一定の大きさの電圧であって電流が最大となるか、又は電流と電圧とが同位相となる現象を直列共振といい、また、供給電圧と合成電流とが同位相にある状態を並列共振といい、そのときの周波数foを共振周波数、そのときの最大電流Ioを共振電流という。
これらの現象は電子役器の同調回路、後に述べる吸収型周波数などに応用されている。
7・5・1 直列共振
図7・47
図7・47の回路において、この回路のインピーダンスZ〔Ω〕は次のように表わされる。
そして電流I=E/Zであるから電流Iを最大にする条件はZが最小であればよい。
したがって、
このとき
2πfL=2πfC
なる条件で電流は最大となる。
このときの電流Ioを共振電流という。
また、このときの周波数foとすれば、
よって、
この周波数foを共振周波数という。
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