5・8 導体抵抗と温度との関係
5・8・1導体の抵抗率、導電率
導体に電流を流せばこれを妨げる作用があることは、1・8で述べたとおりであって、これを電気抵抗又は単に抵抗といっている。この抵抗についてさらに調べよう。
図5・15
導体の抵抗は、その材質によって異なる。同じ材質であれば比例し断面積に反比例する。長さl〔m〕、断面積S〔?〕の導体の抵抗R〔Ω〕は次式で表される。
今導体の抵抗を表すのに図5・15のように断面積が1?で、厚さが1mの導体の両面間即ち図中のabの回の抵抗値は(5・16)式からR=ρとなる。逆に、ρをその物質の抵抗率という。単位にはオームメートル〔単位記号Ωm〕を用いる。そしてこれは材質と温度で決まり、物質に特有な値である。
電線のように抵抗率が小さい場合は10−6〔Ωm〕、すなわち、マイクロオームメートル〔μΩm〕も用いる。
〔例題〕直径2〔m〕で長さが500〔m〕の銅線の抵抗〔Ω〕を求む。ただし、銅の抵抗率ρは1.72×10-8〔Ωm〕とする。
5・8・2温度による抵抗の変化
金属導体は材質、形状が同じでも、温度の上昇に伴ってその抵抗が増加する傾向がある。そこで抵抗の温度による変化の割合を知る必要がある。
今、ある導体の0〔℃〕のときの抵抗がR0〔Ω〕で、温度が1〔℃〕変化したときの抵抗の変化分がR0のα0倍であるとすれば、温度がt〔℃〕のときのその導体の抵抗の大きさRtは次のような式で表される。
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