5・4 ジュール熱、ジュールの法則
図5・l1(b)において、電熱器の抵抗R〔Ω〕のところに電流I〔A〕を流せば、そこに熱が発生することはよく知られている。導体間を移動する自由電子が周囲の原子に衝突して原子の振動がはげしくなるために発生する熱であると考えられる。これを電流の熱作用という。
この発生する熱量は、その回路の電気抵抗R〔Ω〕と、流れる電流I〔A〕及び流れる時間t〔S〕に関係する。このような熱をジュール熱といい、ジュールの単位を用い単位記号〔J〕が使用される。
よって、
この(5・9)式をジュールの法則という。
この法則は1843年イギリスのジュールが発見したものである。
5・5 電力量
電力Pがある時間の間に仕事をする量を電力量という。電力量の単位にはワット秒〔単位記号Ws〕又はキロワット時(単位記号kWh)が使われる。すなわち、ワット砂〔Ws〕はI〔W〕の電力を1秒間使用したときの電気エネルギーであって、1ジュール〔J〕に相当する。
1キロワット時〔kWh〕は1〔kW〕の電力を1時間〔h〕使用したときの電気
エネルギーであって、1〔Ws〕と1〔kWh〕との間には次の関係がある。
通常はキロワット時〔kWh〕が多く用いられる。
〔例題〕500〔W〕の電力を消費する電熱器を10時間連続して使用したときの使
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