電流の大きさは導体を1秒間に流れる電気量の多少で決められ、単位にアンペア〔単位記号A〕が用いられる。
したがって、1アンペア〔A〕は毎秒1クーロン〔C〕の割合で電気量(1・3参照のこと)が移動するような電流の大きさである。
注:計算によれば6.25×l0の18乗個の電子が毎秒負電荷から正電荷に移動するのが1アンペアといってよい。
一般に導体の断面積を流れる電流I〔A〕とt秒間にQ〔C〕の電気量が移動すれば次の関係式となる。
電流の方向は電荷の移動する方向によって次のように決められている。
(1)正電荷が移動する場合は、その移動する方向を電流の方向とする。
(2)負電荷が移動する場合は、その移動する方向と反対の方向を電流の方向とする。
1・8 電気抵抗
図1・14においてA水槽の水はB水槽の方へ甲管又は乙管を通って流れ込むものとし、水は水源池から絶えず補給される。この場合甲管は乙管に比べて5倍の断面積の太さの管であるとすれば、甲管で水を流す場合は乙管で流す場合より5倍だけ多量の水が流れ、それだけ早くB水槽を満すことができることが想像される。このような考え方を電気の場合にもあてはめることができる。水頭差は電圧差、管の断面積の太さを導体の断面積の太さにおきかえ、甲管を甲導体、乙管を乙導体とすれば甲導体は乙導体より5倍の電流を流しうることになる。
前ページ 目次へ 次ページ
|
|