
第2章 双方向無線電話装置の点検整備の方法
2.1 双方向無線電話装置整備要領標準
2.1.1 双方向無線電話装置整備要領標準の作成に当たって 双方向無線電話装置は、一見したところ普通の携帯用の送受信機(トランシーバー)であるが、新しい遭難・安全通信システムでは、生存艇相互間と生存艇と遭難船または救助艇などの間の連絡通信に使用される救命無線設備として位置づけられている。他の救命無線設備とは異なって常時も船内通信などに使用しても差支えのない無線設備でもあるので、整備・点検要領の作成に当たっては、その点にも注意を払った。 この双方向無線電話装置には、上述した携帯用の装置の他に生存艇、例えば、救命艇に常時固定されている装置もあり、船舶救命設備規則では、それぞれ持運び式双方向無線電話装置と固定式双方向無線電話装置と呼ばれており、その性能についても若干の差異があるので、それらについて留意をした。 また、1974年の国際海上人命安全条約(74SOLAS)のいわゆる二次改正である救命設備関係の改正の際に同種の双方向無線電話装置が、救命無線設備の一種として備え付けられており、それらは船舶救命設備規則では単に双方向無線電話装置として規定されている。 持運び式双方向無線電話装置と固定式双方向無線電話装置については、まだそれらの船舶への装備の規定はまだ作られていないが、SOLASによれば概略は次のように規定されている。 「国際航海に従事するすべての旅客船と500GT以上の貨物船は少なくとも3台、300GT以上500GT未満の貨物船は少なくとも2台のIMOが採択した性能標準に適合するVHF双方向無線電話装置を備えること。固定式のVHF双方向無線電話装置を救命用の端艇及びいかだに備えるときは、IM0が採択した性能標準に適合すること。1992年2月1日以前に船舶に備えたVHF双方向無線電話装置であって、IMOが採択した性能標準には適合しないが、主管庁が承認したVHF双方向無線電話装置と両立性があると認めたときは、1991年1月31日まではその使用を認めることができる。」 この第三項の主管庁の認める両立性とは次の通りであると仮定をして整備要領標準は作成された。すなわち、該当するVHF双方向無線電話装置は二次改正による双方向無線電話装置とし、この装置はVHFの3波(チャンネル15、16、17)とUHF(40MHz帯)の6波の9波の内から任意に選ばれているので、主管庁の認める両立性は、VHFの3波が
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