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5.5.5 創意工夫
(1) 創意工夫の意義と重要性
人間は「考える」という特性をもっており、そのことによって、一歩一歩前進してゆくことに人間としての存在意義をもっている。
一方、経営にとって有益な意見、創意工夫、改善案などを従業員に求めて提案させることは、商品が高度化、複雑化、多様化し、市場要求レベルが高くなるにつれて必要度を増してくるものである。
ところが、組織が大きくなるにつれて仕事の分業化、専門化が進み個々の人間は小さな枠の中にはまり込んでゆく。人々は自分に与えられた小さな範囲のことがらしか関心を示さなくなり、組織の枠を越えた発言を自ら閉ざしてしまうのが常である。このような閉鎖性を越えて従業員の創意工夫を提案という形で吸い上げて、具体化し、有益化を図ることが必要である。また提案にとどまらず提案活動にもっていくことが重要であって、そのためには、現在各社で採用し、実施されているように「提案制度」として制度化することが望ましい進め方である。創意工夫が埋もれてしまわないように、みんなに発表の手段と機会を与えることが提案制度の第1の目的である。
認定事業場においても、特に生産現場における創意工夫によって改善提案され、品質の安定方向を図ることが重要であって、提案制度の果たす役割は作業方法の改善、品質向上、技術改善、製品の改良、経費節減などのように直接的役割のほか、教育的役割、人間関係的役割、経営参画的役割があり、これらを通じて認定事業場としての企業体質を強化することになるのである。
(2) 提案の種類と内容
創意工夫による提案といってもその内容、提案方法などによって種々あるが、企業内で一般に提案されている内容、提案方法によって次のように分類できる。
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現在行なわれている創意工夫などの提案の大部分は「改善提案」であり、その中でも特に生産現場において行われているものが最も大きな部分を占めている。内容によって次のように分類される。
? 製品の改善(品質・VAなど)
? 設備の改善
? 治具、工具の改善
? 作業方法の改善
? 材料、消耗品の改善

 

 

 

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