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円滑な遂行に適した品質情報システムが適用されるべきである。一方、品質情報システムをその必要性の観点から取り上げると、例えば企業内で起こっている大半の品質問題が純技術的な原因から生じている場合には、末端データの収集に労力を要する品質情報システムよりも個々の品質問題の原因の解析に力を注ぐほうがはるかに効果的であるはずである。ところが現実に経験することは、品質問題は業務の質の問題から生じていることが多く、管理者なり、技術者あるいはQCサークルに問題を提起し、業務の質の改善により解決しなければならない問題が大多数である。これが多くの企業で、品質情報を収集、解析して問題点を抽出し改善につなげるため品質情報システムを導入している一番基本的な理由となっている。したがって品質情報システムは多数の生産関係者が当初の計画に従って十分に機能を果たし、かつ、信頼性の高い製品を得るために必要とされる情報活動を支えるものである。

 

5.4.3 設計における品質情報管理
設計工程の品質を中心とした管理のあらましは、図5.4.1のとおりである。この図の太線の枠内が設計部門であり、太線の枠の外とのつながりが他部門と関連するところである。設計部門における品質管理活動は次の三点に要約することができる。
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客先要求を前向きに受け止めた研究、開発ならびに工程内および引渡後の不具合情報に基づく改善活動でこれを技術標準、設計標準、コンピュータプログラム、品質機能展開などに蓄積する活動
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品質保証に係る会社方針、各種法規及び客先の品質に関する詳細な意向を確認し、品質機能展開を通じ、これを図面や補足指示書などによって、次工程に正確に伝達する活動
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図面の自主検査による正確でわかりやすい出図の履行と、変更図の減少をはかる活動
図5.4.1の左上隅に品質表の表示がある。これは規格、技術標準、設計標準、コンピュータープログラム、品質機能展開など諸標準の要となるもので相互の関連をつなぐものとして位置づけられている。いわば人間の頭脳に相当するものである。重要な情報はこの品質表に集中され整理され活用されなければ総合的に実があがらないことを表現している。

 

 

 

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