品質情報の管理は、人力による収集、記録及び整理からコンピューターを利用した、より有機的な品質情報システムへ移行する企業が増加している。そのため品質情報の特性をさらに細分化して管理する必要性が生じ、例えば次のとおり生産活動の段階別又は情報の用途別に分類されている。 生産活動の段階別の分類 ? 設計 ? 開発、試作、初期流動 ? 受入検査、外注管理 ? 製造・検査 ? 市場品質情報 情報の用途別分類 ? 品質企画 ? データ・バンク ? 修正処理、変更管理 ? 定期的報告 ? 異常の検出 ? 統計解析 以上、品質情報を適切に管理し成果を上げていくためには、各個の情報の果す役割と機能を十分に理解し、品質改良・品質改善、業務改善、システム改善等を行ない、かつ、品質保証を円滑に実施できるような品質情報システムを確立しておくことが肝要である。 5.4.2 品質情報システム 品質情報システムとは 「品質を保証していくために必要な品質情報を明確に定義し、その収集方法、処理法、伝達経路、活用方法を明示し、有機的に関連づけた体系」ということができる。 情報を集める目的は、業務の質と製品の品質を常に向上させ、顧客先の信頼を得ていくための品質管理の効率的で円滑な実施であるが、具体的にどのような方法を用いればよいかは企業の体質や規模、製品の種類、情報の用途等で異ってくる。また、情報の処理にあたっては、その量が少ない場合はあまり問題はないが、多量になると処理する技術的な問題を無視するわけにはいかない。コンピュータを用いる場合、手作業では処理できなかった統計や解析が可能となった反面、手作業では起こらなかった別の問題が生じてくる。これらの事項は各企業の組織及び体制と密接に関連を有し、受注品目、生産方式、経営方針、管理制度によって相違するが、品質保証制度の 前ページ 目次へ 次ページ
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