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の部門にくみ入れるようになってきた。認定事業場では、検査部門は製造部門から独立していることが要求されている。ここが一般の事業場と認定事業場の明確な差異である。
認定事業場の自主検査制度は認定物件の品質を確実に保証するための検査であり、製造部門から独立した検査部門によって行わなければならない。このため製造部門で工程品質を確認するために作業者が実施する品質チェックは「自己点検」としてここでいう「自主検査」とは区別している。検査の機能を機能別に説明すると
( 法(歉攀’ス
保証機能は個々の品物またはロットを試験、測定し、その結果を品質の基準と比較し良、不良又はロットの合格、不合格を判定し、受入れ又は出荷を決定することである。この機能は古くから検査と呼ばれ行われてきた。これが検査の主目的である。この機能をより完全に近づけるためには、作業者自身の「自己点検」だけでは心もとない。これは作業者を信頼するしないの問題ではなく、人間の注意力には限界があり、また人間は間違いを犯しやすいからである。一度誤ったものを同一の人が再チェックして見つけることは難かしいことであり、ここに第三者検査の価値を見出すのである。
(◆法〕祝謬’ス
いかに検査が厳正に行われ、不良品を見つけてこれを取除くことが出来ても、不良品の発生をなくすことは出来ない。これをなくすには工程を管理して不良発生の原因を探求し、その処置がとられて始めて可能になる。不良品が発見された場合、その結果をデータを必要とする工程へ反映し、二度と同じ不良品を作らないように処置をとらせなければならない。これが予防機能である。工程品質を常時把握することによって、品質限界を外れた際直ちに処置をとるようにすれば不良は一切作らないで済むわけである。これが品質管理の理想である。予防機能は検査が品質管理活動の一環として有機的に寄与するための、もっとも必要とされる機能である。従来はややもすると判定の問題にのみ、重点が置かれ、この機能における活動が十分ではなかった。この機能を十分発揮させるためには、検査部門が試験・測定のデータを整理分析し、品質情報として設計部門、製造部門及び資材外注部門へ提供し、設計、製造及び資材、外注に反映させることが必要であって、このことがいかに重要で意義のあることかを関係者が理解することが大切である。このためにはデータのとり方、その活用のための統計手法、そのフィードバックの手順等を明確にし、データが検査部門に休眠することのないようにする必要がある。
(?法”床禅’ス
検査は出来上がった製品について顧客の立場に立って判断を下せるため、それが本当に顧客の要求する品質に適合しているかどうかの情報も把握できる。この情報は製造品質や

 

 

 

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