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はロットの合格・不合格の判定を下すこと。」
すなわち検査をするには
? 品質について判定基準を設定する
? 品物の品質を試験・測定する
? 試験・測定結果を判定基準と比較する
? 合否の判定をおこなう
であり換言すると検査は既に出来上った品物、あるいはその品物の製造工程の一つが終了したあとでその処理を決める積極的な行為であって、単なる試験・測定の作業とは、明確に区別されている。
即ち、検査機能には「合否判定権」があるが、試験・測定にはない。従ってこのことから試験・測定をする人と合否の判定をする人とが別人であってもよく、試験・測定のみをする人は検査員とはいえない。
(2) 検査部門の機能
品質管理でいう検査機能は上記の検査を含めてもう少し広義の解釈をするのが通常である。
? 仕様規格など品質基準に合った良い品物が、次工程や顧客に確実に引渡されることを保証する。 −保証機能−
? 品質基準に不適合な品物がつくられないようにする。 −予防機能−
? 品質に関する実情を評価し、たとえば品質基準や、保証品質の適否を検討し、経営者や関係部門に報告する。 −評価機能−
以上三つの機能を兼ね備えた部門が要求されるようになり、各事業場において、品質管理部門と検査部門が一つの部門になっているところが多い。更にサービス部門や試験部門もこれに含ませるようになったのは上記機能を密接に運営出来るからである。
さて認定事業場における検査機能もこの一般的な検査機能とかわるところがないが、船舶安全法の目的から特に?の保証機能が絶対に必要である。
近年品質管理の考え方が浸透してくるにしたがって?の保証機能のみでは足りなくなった。即ち出来上がった製品を検査して合否の選別をすることは、不良品又はそれに準じた特採品が出た場合、経済的にも工程的にもその損失が大きいことから、製造中に不良品を取除くこと、更に不良品を作らないことに力を注ぐようになり?の予防機能が重視されるようになった。
“品質は工程で作り込まれる”ものであるから、この考え方が品質管理の立場から強調されるのは当然のことである。
この考え方を推しすすめて一般の事業場では検査部門を含めた品質管理部門を製造工事

 

 

 

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