
3.5 月平均波高の経年変化 巻末資料5に日本周辺と北アメリカ大陸周辺の月平均波高の経年変化図を示す。 これによると、日本太平洋沿岸では一般に、月平均波高は6ヵ月周期の季節変化が卓越する。しかし、これは年毎に複雑に異なることが多い。 日本海沿岸では、全地点で冬季に波高が高く、夏季には静穏な12ヵ月周期の変動を示す。 奄美大島の名瀬、沖縄の那覇は日本海沿岸と同様に12ヵ月周期の変化が基本であるが、秋季にも台風の影響により波高が高い。 外洋波浪については、日本海ブイ(No.21001)、三陸沖ブイ(No.21002)は冬季に波高が高く、夏季に低い季節変動をする。東シナ海ブイ(No.22001)、四国沖ブイ(No.21004)、南方定点ブイ(No.21003)は8月から翌年の3月まで波高が高く、4〜7月に波高が低い季節変動を示す。ハワイ沖(No.51001)、アラスカ沖(No.46001)、アメリカ西岸沖(No.41001)、ミシガン湖(No.45001)では、全ての海域で冬季に波高が高く、夏季に低い12ヵ月周期の変動が卓越する。 これらの観測データから、海洋波浪は一般的には1年周期で変動し、大平洋沿岸では6ヵ月周期の変動を示すと言える。 3.6 波高偏差の経年変化 波高偏差の経年変動について、大平洋沿岸と日本海沿岸とに特徴的な差は見られない(巻末資料6)。 海域別(観測地点別)の波高偏差については、近傍の観測地点間では波高偏差は同位相で出現するが、離れるに従いほとんど無関係な位相を示す。 前ページ 目次へ 次ページ
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