
3.2 波高と周期の結合分布 超音波波高計により観測された日本沿岸の波高と周期の結合分布は、太平洋・日本海両沿岸とも波形勾配(波高/相当波長)がほぼ0.05を上限とする分布をする。これに対して気象庁のブイデータは4秒以下の異常データ(21002と22001)を除いて見ると、上限は0.05を超えているものがある。NOAAのブイ(No.41001〜46002)では、波形勾配は明らかに0.05を超えており、沿岸で超音波波高計により観測した波浪より波形勾配が大きい(図3.6)。
これらから、観測方法の差異による影響が小さいとすれば、外洋波浪は沿岸波浪に比較して波高が高く、かつ波形勾配が大きいと言える。
各海域の結合分布の特徴をまとめると、太平洋沿岸では一般に、周期が4〜12秒の比較的周期帯が広く、波高が5m以下の分散した分布をする(巻末資料2)。季節変化は詳細には各地点により異なるが、全体的には周期帯は海域毎に変わらず、波高は北日本太平洋沿岸では春季と秋季に高く、西日本太平洋沿岸では夏季と秋季に高い分布をする。
日本海沿岸の結合分布は、周期帯が狭く、波形勾配が0.03の曲線に沿って広い範囲に分布する形状を示す。季節的には大きな変化を示し、夏季には波高が2m、周期が8秒の狭い範囲に分布し、冬季には波高が6m、周期が10秒まで広い範囲に分布する。
外洋波浪(JMAブイ、NOAAブイ、いわき沖)は沿岸波浪と比較して波高が高いところまで広い範囲に分布し、結合分布の形状は周期帯が狭く、波高帯が広い、波形勾配の大きな分布を示す。
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