日本財団 図書館


5.3.3 クランク軸等回転部分の状態把握分析システムの問題点と開発課題

(1)問題点

?ハードウェア(センサ、システム)上の問題点

・フェログラフィ、ICP−SOAP(ICP−灰化法)用試料油のサンプリング位置やサンプリング間隔により摩耗粒子の濃度が異なる。

 

・システム油中の摩耗金属粒子は微々たる量のため金属粒子濃度は希薄である。また、システム油は新油が補給されたり、交換されるため、摩耗粒子濃度が希薄となる。そのため精度の高い摩耗粒子濃度計測機器が必要。

・振動計では他の機械振動(雑音)を拾うため最適な取り付け位置、振動の信号処理技術が必要。取付け位置は機関型式、船型、機関室の機器配置等で異なる。

・軸受焼付き等の異常と振動の関係を解明することが必要。

・機関の運転時間により摩耗量が異なる。

 

?ソフトウエア上の問題点

・システム油中の摩耗粒子から摩耗部品を特定することが難しい。

?費用上の問題点

・フェログラフィー、ICP−SOAP装置を本船に積むと高価となる。

・軸受温度センサを取り付けるとなるとコストアップとなる。

・オイルミストセンサは高価である。

(2)開発課題

開発課題のポイントはフェログラフィ、ICP−SOAP(ICP−反化法)による摩耗量の計測とコスト的に有利な振動センサを組合わせることにより摩耗量を把握できるようにすることである。

詳細は以下のとおりである。

?フェログラフィ、ICP−SOAP(ICP−灰化法)によりシステム油中の摩耗金属粒子

濃度等から摩耗量の推定を可能とすること。

?システム油中の摩耗金属成分、摩耗粒子形等から摩耗部品を特定する方法の開発。

・フェログラフィ分析用摩耗粒子のデータベース

・摩耗金属成分、摩耗形態から多変量解析等の手法で摩耗部品を特定する判断手法

?フェログラフィ、ICP−SOAP(ICP一灰化法)用試料油の最適サンプリング位置およびサンプリング間隔の研究

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION