MEは、この作業を運用者が容易にかつ統一的に実行出来るように、オントロジ編集機能やプロダクトモデル編集機能を用意している。また各種のアプリケーションプログラムからプロダクトモデルヘのアクセスを統一的に行うプロトコル/インタフェースも規定している。
なお、GPMEの開発にあたっては、信頼性と実行効率の高いシステム作りを目指し、前述の「造船業CIM開発研究」の成果に加え、以下に示すような関連する最新の情報技術を採用ないしは参照している。
2.2.2技術的な背景と動向
GPMEは製品と生産情報のモデリング、システム実装及びインタネットにおけるシステム統合を目的としているので、その開発には、オブジェクト指向技術、プロダクト情報モデリング技術、ネットワークによるシステム統合と相互運用技術、およびバーチャルエンタプライズのための情報インフラトラクチャが深く関わっている。
(1)オブジェクト指向技術
オブジェクト指向技術は1970年代末から発展し普及されてきており、「システム実装技術」と「情報モデリング技術」との二つの側面がある。システム実装技術としてのオブジェクト指向技術はSmalltalk,C++およびJavaのようなオブジェクト指向プログラミング言語(Object-0riented Programming Language)そしてObjectStoreのようなオブジェクト指向データベース(Object−Oriented Database)がある。一方、情報モデリング技術としてのオブジェク指向技術にはオブジェクト指向分析、設計などの方法論、および情報・知識の表現法があげられる。
オブジェクト指向技術の出現により、複雑な情報とデータ構造についてより簡単な方法による記述と管理ができるようになった。従来の手続き中心のプログラミング方法と違って、オブジェクト指向プログラミングは「もの中心」の考え方を取っており、データとデータ処理手続きの一体化およびオブジェクト定義の継承は特徴を持っている。このような特徴によって、オブジェクト指向システムはより高いモジュール化および再利用性を実現することができる。
ところで、オブジェクト指向技術はかなりシステムレベルの基礎技術であり、その使用にあたっては相当な専門知識と熟練が要求される。それゆえ、エンドユーザ(例えば、ある造船所のユーザ)がこれを直接使って情報モデリングとシステム構築などを、実用に耐え得る完成度において、実施することにはかなりの困難が伴う。そこで、GPMEはこのようなオ
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